部屋を借りる際にアリバイ会社を利用する人もいます。
「アリバイ会社を利用すると入居しやすくなる」といったメリットのほかに、ネット情報では「アリバイ会社の利用はやめとけ」といった後ろ向きの指摘まで多種多様です。
今回はアリバイ会社の実態とその仕組みに迫っていきます。
もくじ
アリバイ会社を利用していない人にとって、アリバイ会社が何をしてくれる会社なのか、知る機会は多くありません。
なんとなく、アリバイを作ってくれる会社、というイメージでしょう。
まずはアリバイ会社がどんなことをしてくれるのか、みていきましょう。
アリバイ会社とは、入居審査に際し、その会社に勤めているかのように装うための書類を発行したり、手続きをしたりする会社のこと。
在籍会社とも呼ばれます。
アリバイ会社は入居審査に不安がある人が、確実に審査に合格することを目的として利用します。
アリバイ会社は在籍書類の作成や在籍確認の対応を通じて、審査の合格をサポートするのが基本的な役割です。
アリバイ会社の主な利用者はフリーランスや自営業、水商売の方です。
これらの職業だと仮に収入があったとしても、収入が不安定と判断され、審査に落ちてしまうことがあります。
これを防ぐのがアリバイ会社の役割です。
アリバイ会社で、まちなかに営業所を設けて営業している会社は多くありません。
ではアリバイ会社はどこにあるのでしょうか。
アリバイ会社がどこに存在し、どうやって営業しているのかみていきます。
アリバイ会社の所在地を確認すると、やはり東京や大阪が多いようです。
やはり利用する人も多いため、大都市圏に所在している会社が多いのでしょう。
一方で地方に拠点を置いて営業しているアリバイ会社は多くありません。
ただし、アリバイ会社の業務の性質上、ネット上のやり取りや書類の郵送で事足りることがほとんどです。
近くにアリバイ会社がないからといって利用はできます。
アリバイ会社が具体的にどんなサービスをしてくれるのか確認していきましょう。
ほとんどのアリバイ会社が行なっているのが、この在籍確認。
審査会社が電話で確認をしてくるので、その応対をします。
一見簡単なようですが、審査会社もプロのため、雑な対応では見破られてしまいます。
アリバイ会社のノウハウが詰まっているのが、在籍確認といえるでしょう。
その会社に勤務していることが証明できる書類の作成です。
具体的には源泉徴収票、就労・雇用証明書、社員証など。
これらの書類は専門的な知識がないと作成できないものがほとんどです。
「アリバイ会社は違法」「アリバイ会社の利用がバレるとペナルティがある」といった内容が書かれたサイトもあります。
本当のところはどうなのか、調べてみました。
アリバイ会社の利用は、利用目的や利用状況によっては違法になります。
例えば、アリバイ会社が、自社や提携先の会社に利用者が在職中という内容の在職証明書を作成した場合、これは事実に基づくため、文書偽造ではありません。
しかし、架空の会社の在職証明を発行すると、文書偽造に該当します。
ただし、本人確認書類、例えば運転免許証や住民票を偽造すると罪になります。
過去には、アリバイ会社を使って住宅ローンを組んだことが詐欺に当たるとして起訴されたこともありました。
どの業界にもまっとうな会社と、そうでない会社はあるもの。
違法業者は架空の会社の書類を作成したり、公的な書類までも作成したりとリスクの高い業務を行なっています。
また、あまりに安価だったり、報酬の前払いを要求したりする業者も考えものです。
アリバイ会社は利用する人にとって多くのメリットがある会社です。
それでもリスクがないわけではありません。
また、良質な業者だけでなく、悪質な業者とも言うべき質の悪い業者がいるのも事実です。
利用者にとってアリバイ会社を利用するリスクや悪質な業者を避ける方法をみていきます。
アリバイ会社を適正に利用していれば、法律違反を問われることはないでしょう。
利用者が直面するリスクとしては審査中や審査後にアリバイ会社の利用がバレてしまうことでしょう。
審査後に物件へ入居してしまえば、入居先で滞納などのトラブルを起こしていない限りはアリバイ会社の利用を理由に退去させることは多くありません。
ただし、入居審査中にバレるとその審査には通らない場合があります。
アリバイ会社といえども万能ではありません。
良質な会社ならばできることとできないことをきちんと伝えてくれます。
また、報酬も後払いなら、それは業務内容に自信があるということ。
業務内容があいまい、報酬も先払いを要求するような会社は業務に自信のない会社、あるいは悪質な業者の可能性があります。
アリバイ会社は適正な目的と方法で利用すれば、大きなトラブルになることはありません。これは他のサービスや道具であっても同じです。
アリバイ会社の業務内容やサービスをきちんと理解し、正しく利用するようにしましょう。