ダミーとは、「身代わり」とか「替え玉」という意味合いがあり、本物ではないということです。
賃貸物件の入居審査に通りにくい水商売の人や自由業の人などが主に利用する、アリバイ会社とも在籍会社とも呼ばれる会社が実在します。
朝出かけて夕方になると帰宅する一般的な会社に所属していると、比較的スムーズに入居審査に通るのですが、そうでもない場合は、近年アリバイ会社を利用する人が増えています。
アリバイ会社は利用者の在籍を証明するために、ダミー会社を設定し、在籍を証明できる書類や収入証明書などの作成をします。
実在するダミー会社なら、提出書類さえ完璧ならバレることは、まずありません。
アリバイ会社のメリットとデメリットを理解したうえで、スマートに利用しましょう。
もくじ
まず、アリバイ会社が用意したダミー会社に勤めていると言ったストーリーを、仮に作った場合のメリットについて考えてみましょう。
アリバイ会社が用意するダミー会社は、広告業やIT関係などの業種が多い傾向にあります。
このような職種は、服装も自由な上に在宅勤務も多く、通常のスーツを着て早朝から出勤する一般的なサラリーマンのスタイルと若干違ってくるため、ダミー会社を使った賃貸契約がしやすくなります。
また、広告業やIT関係の職種は、ひとりで会社を立ち上げる人も数多く、無数の小さい会社が存在するため、ダミー会社かどうかが、不動産管理会社や大家さんに発覚しにくいのも事実です。利用者側にとっては、メリットと言えます。
この他にも次のようなメリットがあります。
アリバイ会社が実在する会社をダミー会社として使っていることが多い
実在するダミー会社が、たとえ偽物の給与明細や源泉徴収票、在籍証明書、内定通知書を提出したとしても、審査の関係者が税務署や役所などに確かめることはできません。
なぜなら、個人情報の流出が問題視されだし、審査の関係者の問い合わせには原則として答えないシステムになったからです。
なので、偽物の書類か本物かどうかは、確かめようがないのが現状なのです。
また、仮に入居審査の関係者がダミー会社に利用者の在籍確認の電話を入れても、「〇〇という者が在籍しているかどうかは、個人情報になるためお答えできかねます」と、対応することも可能です。
普通の会社でも、転職する際に、前職場に勤務状態などを問い合わせることは控えるようになっているので、断られても不信感を持たれることはありません。
アリバイ会社を通してダミー会社に就職していることにすれば、余計な心配をすることなく入居審査に通る確率が高くなります。
前後策のアドバイス
不動産管理会社や大家さんは、入居者が家賃を滞納することなく、近隣とのトラブルもなければ、特に問題はないようです。
仮に不審がられたとしても、家賃さえ払っていれば、「事情があって会社を退職しましたが、転職活動中です」と言えば、特に深くは詮索されないはずです。
アリバイ会社が用意するダミー会社が、全て完璧なダミー会社とは限りません。
アリバイ会社がダミー会社に丸投げすると、バレるケースが多々あります。
ダミー会社のホーム式ページがない場合や、あっても長い間更新がないなどが発端になります。
入居審査に際して審査する側は、ネットなどで検索し、不審なことが重なると審査に落とす確立が高くなります。
アリバイ会社を利用した人がダミー会社に在籍していることにする場合は、しっかりしたアリバイ会社を選ぶ必要があります。
水商売の人はグレードが高い高級物件は借りられない?
賃貸契約をする場合、本人の家賃の支払い能力を明らかにしないと、グレードが高い高級物件は借りられないケースがほとんどです。
公にはしいていないものの、水商売などを専門に取り扱っている不動産管理会社や大家さんもいますが、収入が不安定な水商売の入居審査は、かなり厳しいと言えます。
その理由は、離職率が高いことや、ほとんどが歩合給のため、安定した収入が得られるとは限らないため、いつ滞納されるかわからないからです。
また、水商売に従事する人は、普通のサラリーマンとは生活のサイクルが違うため、生活音の苦情が入ることが多いのも、スムーズに契約できない原因の一つです。
賃貸物件の入居審査で嘘をつくと、法的にはどのような責任が問われるのでしょうか?
自分で申込書に収入を多めに書くなどの行為は、法的に詐欺罪になることは、ほとんどないようです。
しかし、自分で勝手に勤務していない会社の在職証明書などを偽造してバレると「私文書偽造罪」の罪になり、賃貸借契約の解除もあります。
アリバイ会社が「アリバイ会社に勤務している」という内容の在職証明書や内定通知書等の書類を発行しても、「文書偽造罪」にはなりません。
しかし、アリバイ会社が「保険証」や「パスポート」などの公的な書類を偽造すると「公文書偽造罪」となります。
一般的に賃貸借契約上で、アリバイ会社を利用していても、家賃を毎月払い続けてさえいれば、逮捕される可能性は低いと言えます。
ただし、賃貸契約書には「入居申込書の内容に虚偽の事実が認められた場合、本契約を解除する」といった記載があるため、家賃の滞納がなくても強制退去に至ることもあります。
この場合、家賃の1~3ヶ月分の違約金を請求されることがあります。
様々な理由から賃貸借契約でアリバイ会社を利用し、ダミー会社に勤務しているように偽装していたことが管理会社や大家さんにバレても、利用した本人が法律上逮捕されることは、まずありません。
ただし、家賃を滞納していたり、近隣の住人とのトラブルが、たび重なっている場合などは、不動産管理会社や大家さんの対処次第で、賃貸契約書違反で違約金を請求されることもあります。
職業上の理由から、何度も入居審査に落ちると、精神的にも落ち込んでしまうため、適切なアリバイ会社を利用するのは妥当な手段と言えます。
アリバイ会社の利用に関しては、メリットもデメリットもありますが、最終的には自己責任になるため、納得できる会社を選ぶようにしましょう。